掲載 2020.12/25

 木臼水漏れ修理

 世の中コロナ禍のクリスマスイブ。運び込んだ欅臼の正確な情報がわかり、突き口の修復作業を行なった。わかった情報では「水漏れで使えなくなっている」とのこと。杵で強打される底面などは強固な材料で修理する必要があるので、エポキシ樹脂で固め、突き口内面全体をディスクグラインダーで一皮剥くことにした。
貰い受け時の突き口内面  
芯材部分がダメージを受けており、大きなヒビ割れがある。右上の埋め木は最初からのものだろうが周辺に隙間がある。また年輪の中心から放射状に無数のヒビ割れがある。
パテ埋め後の状態の突き口内面  
エポキシ樹脂のパテを隙間に練り込んで埋める作業を行なった。手袋の上からやっていたが、すぐに擦り切れてしまった。指先に力が入る作業だったので、作業後は親指がマメができるのではないかというほどだった。
完成突き口内面  

突き口全体をディスクグラインダーで研磨。カヌーづくりの船体内面研磨で慣れた作業だが、小さな穴状の窪みなので、作業中は研磨粉の逃げ場がなく顔や頭に直接降りかかる。

きれいに研磨すると、欅の木肌色が見えてきたのと、大きな問題点の芯材部分と埋め木部分にエポキシ樹脂が入り込んでいるのがよくわかる。